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北海道留萌市/注文住宅・リフォーム・建築

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スタッフブログ

2025.10.23

お知らせ

いの一番

🔹 日常語としての「いの一番」

意味

「いの一番」とは、

物事の中で最初・真っ先・第一番を意味する言葉 です。

たとえば

・「彼がいの一番に手を挙げた」

・「いの一番に駆けつけた」

このように使うと、「一番最初」「まっ先に」という意味になります。

由来は、江戸時代の点呼の順番(い・ろ・は…)で、「い」が最初、「いの一番」は最初の番号=一番最初ということから来ています。


🔹 建築図面での「いの一番」

建築業界や大工の世界では、「いの一番」という言葉にはもう一つの専門的な使われ方があります。


図面での意味

「いの一番」は、建物の柱や基礎を示す通し番号(符号)の最初の位置を指します。

一般に、柱や通り芯(建物の格子状の基準線)には次のように「い・ろ・は・に…」と「数字」を組み合わせて表記します。


 は ろ い →(い・ろ・は:横方向)

   ┼─┼─┼ 1

   ┼─┼─┼ 2

   ┼─┼─┼ 3

              ↓

       (数字:縦方向)


このマス目の交点が柱の位置を表し、

「い通り × 1通り」の交点――つまり右上の最初の柱が「いの一番」になります。


意味合い

・建物の最初の通り芯、つまり基準点

・墨出し(現場で位置を出す作業)でも最初に基準となる位置

・図面・現場双方で「ここを起点に全体を組み立てる」という意味合い

です。


🔹 日常語とのつながり

建築では、構造物を作るときの“最初の柱・基準”が「いの一番」。

そこから派生して、一般社会でも「真っ先」「最初」を意味するようになりました。

つまり、「いの一番に駆けつけた」という言葉は、

もともと建築の最初の基点から転じた表現でもあるのです。



投稿者:伊勢田昌志